寄生木


少し前にも触れた、やどり木についてのあれこれ。
うれしい進展あり。

『寄生植物 ─ヤドリギのひみつ(自然と科学)』清水清 著 / 岩崎書店 
ついに手に入れた。

根気強く探してきた甲斐があったよよよ。
これはきっと『はるにれ』の本がもたらしてくれた幸福。

カラー版なので、生態を写真で確認できて面白い。
拡大写真は意外とグロテスクで、理科の教科書を思い出す。

ヤドリギの果実は粘性で、鳥に食べられても消化されず、
そのまま種とともに排泄される。
その糞はまるで納豆のように糸をひき、ところどころに種がついていて、
数珠玉みたいに見えるらしい。
鳥は、この数珠玉を肛門からぶら下げて飛び回る。
想像するとちょっとまぬけな姿に思えるけれど…
結果、止まった木には種が着き、発芽するのだという。
胚が伸び、その先端はタコの吸盤のようなかたちで枝にくっつく。
そこから寄生根(ほかの植物から養分を吸収するために作られた特別な根)を差し込み、
着生に成功すると、ヤドリギの真の寄生生活が始まる。

なるほどー。

興奮したのは、ヤドリギに宿られた木(寄主)が最終的に枯れるという点。
ヤドリギに養分を横取りされるので、どんどん弱ってしまうの。
皮肉にも、当のヤドリギも寄主が枯れると栄養がもらえなくなるので、じきに枯れる。
結局、共倒れ。

また、断面図を見てみると、ヤドリギの寄生根はくさび型。
ヤドリギに根を張られた寄主は、くさびを打ち込まれたような状態になっている。
つまり、逃れられない。
なんだか不気味というか、おぞましいというか。
ヤドリギを女性に、寄主を男性に例えてみると、ありがちなメロドラマのよう。

ああ、実物を間近で観察したいなあ。
街路樹に、だれかの屋敷樹に、どこぞの木立に、もっと本気で目を光らせよう。
そして、やどり木ばかりを撮影した写真集を作るの。
- - -
<< NEW | TOP | OLD>>